エッセイ目次に戻る   トップページへ        2003-11-10

ワインアラカルトエッセイ  No.03-007                作成年月日 : 2003/11/10

エッセイ :  日常飲むワインの選び方

 日常のお惣菜に合わせて飲むワインとして、1本600-1500円の価格帯のワインを選ぶコツを述べます。
ワインの購入はウィスキーやブランデーと違って銘柄だけでは買えないところが難しいのです、しかも銘柄が多く、同じ銘柄名であっても栽培業者により千差万別、年により出来不出来の差、熟成具合(飲み頃)、希少価値で高いのか、店の値付が高いのか、何年ワインをやっていても他人に推薦されたとしても人さまざま、好みも違い参考にしかなりません。私は新入荷や売り出しがあると、まず1本購入してみて良ければ買い足しに行くといったことを繰り返しています。
 ワイン関連の本や雑誌やネットなどでワインを写真入りで紹介されても、ショップを数店まわり同じものを捜してもまず見つかるワインはごく少ないでしょう(チリワインの低価格のものはよく見つかりますが)。

 例えばフランスのボルドー地域全体で8000以上のシャトーがあるといわれ、それに比べて1店で扱っているワインの種類はごく少ないし、売切れたワインは、同じワインではほぼ入手不可といってもよいでしょう、従って入手ルートは多ければ多い程良ろしい、専門店、ディスカンントショップのみでなく最近ではデパートでもリーズナブルな値段で売り出すところがありますが、中には許せない値付けのデパートもありますので要注意です。身近で数件以上のワインショップを見てまわり、試飲又は1本購入して自分で見つけることしかありません。又デパートやワインショップなどのワインフェアー等の催しの案内を事前に送って貰えるよう登録しておくとよいでしょう。ディスカンントショップ同士を比較しても同じ銘柄が2倍近い価格差があることがあります、大量買い付けとか仕入れ力によって差が出るようです。

 最近では、インターネットでの購入が手軽になりましたが、私の場合は主ではありません。理由として、安い価格のワインでは送料と代引手数料(引落しならよいが)を加算すると、12本買っても1本当りの単価が上がるからです、高価なワインでは1本買って試飲ということもせねばなりませんし、宣伝文句もどこまで信用出来るか等々です、但し地方で生活されている方でインターネットでの購入は非常に便利とは思いますが。

 ワインを宣伝・表現するのに、嗅いだことの無いような花の香りの麗句を並べたて、百花繚乱とまで云われて、いざ飲んでみて旨い ! 香りも良い ! しかし何が百花繚乱なのだという感じがしますが、旨ければこれで素通りです。まずくてどうしようもないワインにこう宣伝されると、いい加減にしろと言いたくなり、この店のセンスを疑い、以後この店では買う場合は要注意となります、一昔のボジョレーヌーボブームの衰退の再現と同じです。安いワインの能書きはそんなに必要ないし、旨いワインでもヒント程度が良いのではないかと思います。

 とはいってもワインというものは香りが魅力、香りの成分は数百以上あると云われていますので、何々の香りだとか能書きをたれるのはもっともなのかも知れませんが、度がすぎると誇大宣伝もしくは知識の誇示という感じがします。

 さて、日本の日常のお惣菜に合わせて飲むワインの無難な選択は次のとうりです。

 白ワイン

 白ワインのぶどう品種では、シャルドネ種を筆頭にして、シャルドネ種とセミヨン種の混醸(オーストラリア)、ソービニヨンブラン種とセミヨン種の混醸(ボルドー)等の辛口ワインがよろしいでしょう、甘みのあるワインは飲み易いかもしれませんが、料理に合わせて飲むには適さないと私は思っています。
 産地はフランス、カルフォルニア、チリ、オーストラリアのものがお薦めです、カルフォルニア、チリは酸味は少なめで飲みやすいものが多く、素人にはチリが無難です。
 シャルドネ種は白ワインの世界の主流で、日常のお惣菜の大半に合うワインです、安価なワインでも料理にさえ合わせれば旨く飲め、料理も旨くなります。
 フランスのAOC(原産地統制名称ワイン)やVin De Pays(地酒産地ワイン)は上手くみつければ¥1,000/本前後でバランスの良い旨いワインがあるので挑戦価値充分です、オーストラリアのワインもフランスに近い味で挑戦価値があります、但し掘り出しものも見つけても連続しての購入は困難ですので、次から次と新しいワインに挑戦が続きます。
 スーパー、コンビニ、ディスカウントショップなどで新入荷し安売りしているものが狙い目で、¥500/本位のものでもお惣菜と上手く合わせれば結構美味しく飲めるものが見つかりますが、ワインのみを飲んで楽しむものではありません、収穫年や熟成年数を気にせず早めに飲むもの、このクラスの保管はワインセラーも不要でしょう。
 このクラスのシャルドネ種の白ワインはコストパフォーマンスが一番高いと思います、高いワインを買わないで、このクラスに挑戦し探すのが賢明です。
 カルフォルニアは旨いものは高め、カルフォルニア、チリは酸味は少なめで飲みやすいものが多いですが、素人にはチリが無難でしょう。シャブリ(シャルドネ種)の値段の安いもの(¥1,000/本前後)ならカルフォルニア、チリ、オーストラリアの方が良いと思います。
 オーストラリアのシャルドネ種とセミヨン種の混醸のものは飲みやすいワインです、ニュージランドはやや酸味が勝ちます。 
ソービニヨンブラン種とセミヨン種の混醸(ボルドー)は酸味もあり、和食にはよいでしょう。

 赤ワイン

赤ワインのぶどう品種では、カベルネソービニヨン種、メルロ種、サンジョベーゼ種、シラーズ種、テンプラニーリョ種、グルナッシュ種等が、日常のお惣菜に合わせ易いでしょう。
産地はフランス、カルフォルニア、チリ、オーストラリア、イタリア、スペインのものがお薦めです。

  カベルネソービニヨン種主体のワインで、フランスボルドー地区/AOC(原産地統制名称ワイン)、VDQS(上質指定ワイン)、Vin De Pays(地酒産地ワイン)、カルフォルニア、チリ、オーストラリア等のもで、スーパー、コンビニ、ディスカウントショップで新入荷し安売りしているものが狙い目です、熟成年数や収穫年を気にせず早めに飲むとよいでしょう。このクラスのフランスワインは種類が多過ぎて選択が困難で、酸味が気になったり、軽かったり、香りに嫌みがあったりするものがあります、掘り出しものも見つかりますが、連続しての購入は困難です。素人にはカルフォルニア、チリ、オーストラリアが無難でしょう。このクラスでも気に入ったワインとこのHPのレシピ(料理)と合わせればワインが引き立って益々旨くなります、日常はこのクラスで充分です。
 カベルネソービニヨン種とシラーズ種との混醸はオーストラリアのワインにあって、日本のお惣菜にも合わせ易く、値段の手頃のものが見つかります。
 メルロ種は柔らかで濃さもあり、渋さはカベルネソービニヨン種ほどでないので、赤を飲み慣れていない人には取っ付き易いです、メルロ種に、多くはカベルネフラン種、カベルネソービニヨン種等がブレンドされています、その他はカベルネソービニヨン種と同様です。

 イタリアのサンジョベーゼ種のワインは赤でありながら、酸味もあり、癖がなく、白ワイン的な性格も持ち合せるので広範囲に料理との相性をしめし、イタメシのみでなく、日本のお惣菜とも巾広く合うので重宝します、¥500-/本のものでも嫌みはないし、お惣菜との相性の範囲も広く素人でも無難。 サンジョベーゼ種を主体で作られるキャンティーはイタリアのDOC,DOCGワインの中で最も生産量の多いワイン(1億本/年も)、値段も¥800-10,000/本と開きがあり、生産者もめちゃくちゃ多く選択/購入は困難を極め、試飲して購入するか、1本購入し試飲し、気に入ると買い足しするしかありません。 キャンティクラシコ(Chianti Classico)はキャンティの上級ワイン、樽熟成3年以上のワインをriserva レゼルバと表示される、日常的には¥1,000-2,000/本の範囲で試飲し気に入ったもので充分です、フランス/ブルゴーニュの赤ワイン(ピノノワール種)で¥2,000-3,000/本ならキャンティーの方が良いと思います。

イタリアの大衆的な赤ワインではその他に、コルビィーナ種(ヴァルポリチェッラに使われる)、アリアーニコ種(イタリア南部の赤に)、その他多くの品種があり種々混醸され、ワインショップやイタリアレストランでもよく見かけます、安めの値段でイタリアの赤ワイン全般によく似たワイですが、1本購入して、気に入ったら買い足しするのが原則です。
イタリアのワイン法(格付け/規定)は、DOCG(保証付き原産地管理呼称)、DOC(原産地管理呼称)、VdT などの規定があるものの、フランスの格付けに比べてあまり意味をもたない、多くの産出業者が規定に関係なく巾広い品質のワインを産出するので選択/購入は困難を極めます。

 テンプラニーリョ種はスペイン/リオハの主要品種、プラム、バナナのような熟した果実の香りと、くせのない、濃厚なワイン、柔らかい酸味、濃厚さも備えたもので熟成もします。赤ワイン系に合う料理は広範囲にOK、日常のお惣菜に広範囲に合い、晩酌に1本のワインを開けるなら、万能型で便利です、クリアンサ、リゼルバ、グランリゼルバとラベルに表記されているのは、クリアンサは6ケ月又は1年間オーク樽で熟成させ、3年目に出荷するもの、リゼルバは樽で1年、ボトルで2年熟成させ、グランリゼルバは樽で2年、ボトルで3年熟成させるもの。低中価格帯(¥1,000から2,000円)のコストパフォーマンスは高めと思います。

 グルナッシュはフランス/南部コートデュローヌの赤ワインで、グルナッシュ種、シラー種、サンソー種その他の13種類の葡萄から数種類の葡萄を組み合わせて作られており、組み合わせ/味/値段もまちまちで、選択も難しいですが、手頃な価格帯のものがあります、スーパー、コンビニ、ディスカウントショップなどで新入荷し安売りしているものが狙い目です、1本購入し試飲し、気に入ると買い足しするしかありません。

 オーストラリアのシラーズ種は白ワイン的な相性もあり日本のお惣菜にも合わせ易く値段の手頃のものが多いです、フランスとカルフォルニアではシラー種という。カルフォルニアのものは酸味は少なめで柔らか。フランス/ローヌ地方のものは、灼熱の太陽を受けタンニンが多く、深紅色で胡椒の香りがするワインです。

(参考)

イタリアのネッビオーロ種、ブルネッロ種は高級赤ワインに使われ、ブルネッロディモンタルチーノ、 バローロ、バルバレスコ等は有名なイタリアの高級赤ワインですが、フランスのブルゴーニュと同様、同じワイン名で、産出業者の多数が出しており、味も値段もピンキリとくるから選択は難しいです、値段も¥3,000-10,000/本と開きがあり、旨いものは値は高く確かに素晴らしいが、同じコストなら私ならボルドーの赤(カベルネソービニヨン種、メルロ種主体)を選んでしまいます。
その点で分り易いのは、フランスのボルドーのシャトー格付けワインのみ、年代を吟味するだけで想像がつき、店の値付を評価する場合、ボルドーのシャトー格付けワインで同じ年代ものを比較すると良いかもしれません(但し売り出し期間中のもの)、店では残り僅かとなると値を上げて品揃え商品とするので要注意です。 ボルドーのシャトー格付けワインの出来の良いヴィンテージイヤーを早い内にリーズナブルな価格で入手して、ワインセラーで保管しておくことは楽しみがあって良いものです。

 

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